恩師

ダイヤル式電話


先日、およそ10年ぶりに恩師を訪ねた。

86歳とは思えないような若々しさであった。

歯はすべてそろっておられ、背筋はピンと伸びておられる。

車は持たず、どこに行くのも自転車だそうである。

半世紀ほど昔に建てられたという家、

調度品は、質素だが手入れの行き届いたものばかりであった。

電話が鳴った。

今どき珍しいリ~ンリ~ンのベル音だった。

おお、と思って電話機を見に行くと、何とダイヤル式だった。

昭和50年頃のものだそうで、40年近く使っているようだとのこと。

私の携帯電話からの通話は、この電話機で受け取っておられたのか!

わ~ぉ、

アナログ、デジタル変換サービスをNTTはまだやっているのだろう。

電話番号の記憶装置はもともとないので、

そばに電話番号の手帳が置いてあった。

恩師は携帯電話も持っておられない。

息子さんがどうしても持たせようとしたらしいが、

断固として断られたそうである。

人生に携帯電話で話すほど緊急の用はない、ということであった。

恩師はけっして頑固者ではない、

世の中の奔流に逆らって生きようとされているわけでもないし、

もちろんレトロ趣味でもない。奇をてらう方でもない。

ありのままの、50年近く変わらない生活を送ってこられた素敵な方である。

健康で、穏やかで、温かな人柄は老いとともにさらに円熟の境地に向かっているように思えた。

藤沢周平さんの小説がお好きだそうである。

師によれば日本史上、江戸時代がもっとも豊かで穏やかだったそうである。




思うに、スマホを自在に使いこなす若者もいれば、黒電話で何一つ不自由ない方がいる。

携帯電話に溺れそうな人もいれば、旅にでた時にしか使わない私のようなものもいる。

自由なのだ。








コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

重要関連リンク
QRコード
QR
カテゴリ
プロフィール

ロックエヴァ

Author:ロックエヴァ
療術家  

大黒屋誠二郎師を師匠として、伝授された画像や技法などを使って日々、療法に取り組んでいる。
画像、シール,保健水などの活用を中心に、心、意識、身体などについて研究を深めていく事を目的とした「まいど会」の会員。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる