オシロイバナ

オシロイバナは白粉花と書く。
この花の実は黒っぽい小さな粒だが、つぶせば純白のきれいな粉となり、
少女たちがお化粧ごっこをして遊んだものだ。
まれに男の子も混じることがある。
たとえば5人きょうだいのうち女の子が4人、末っ子が男の子というような場合。
刷り込みが女っぽくなる、とくに言葉使い、しぐさ等。
ケンチャンは小さいときから男の子とは遊べなかったな。
姉ちゃんのお下がりの浴衣を着せられて、流し目のケンチャンはきれいだった。
あまりに自然で優雅なものだから、
あこがれた腕白たちも練習したがもう間に合わなかった。
オシロイバナは夕方から咲き始めるので、夕化粧(ゆうげしょう)とも言う。
夕方から化粧する・・・。何と魅惑的な呼び名だろう。
名前はどこまでも女性的だが、この植物はきわめて繁殖力が強い。
いったん畑などに入り込まれればその後が大変だ。
地下茎は芋状だから、何度も刈り取っても、次々と湧き上がるように生えてくる。
生命力が極めて強い。夏の植物のように見えて初冬の寒さにも耐える。
しっこく、しぶとく、絶対にあきらめないしたたかさを持っている。
可憐な花だが、たくましさは筋金入りだ。
近頃の日本女性に似ている。
女子サッカーに代表されるように日本では女性が輝いている。
きっと日本は大丈夫だ。