猫の本

s猫本


時の過ぎるのが速すぎる。もう五月。

連休は仕事を休んで、せっせと片づけをしている。

思わぬ本が出てきた。

宮沢賢治の「注文の多い料理店」

萩原朔太郎の「青猫」

ともに昭和50年前後に出版された復刻版である。

装丁がモダンでレトロ感が楽しい。

すでに35年のときが流れている。

初版はともに90年ほど前だ。

「青猫」はフランス綴じと称される製本で、

簡単に言えば8ページが丸ごと袋とじになっていて

ペーパーナイフで切り開きながら読まなければならない。

今どき実に優雅な楽しみ方だが、それが勿体なくて別に文庫本を買って読んだ記憶がある。

だから未だに袋とじのままである。自分にあきれるなあ。

ともに、猫がテーマだ。

「注文の多い料理店」の主人公は山猫だ。私は山猫のファンになってしまった。

「青猫」は分厚い詩集の1ページにも満たない短い詩で、その中にたった一箇所

青猫と言う単語が出てくるだけだ。高名な詩人の心の中の世界が見える。

連休なので、下に記してしておく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「青猫」 (萩原朔太郎)

この美しい都會を愛するのはよいことだ

この美しい都會の建築を愛するのはよいことだ

すべてのやさしい女性をもとめるために

すべての高貴な生活をもとめるために

この都にきて賑やかな街路を通るのはよいことだ

街路にそうて立つ櫻の竝木

そこにも無數の雀がさへづつてゐるではないか。



ああ このおほきな都會の夜にねむれるものは

ただ一疋の青い猫のかげだ

かなしい人類の歴史を語る猫のかげだ

われの求めてやまざる幸福の青い影だ。

いかならん影をもとめて

みぞれふる日にもわれは東京を戀しと思ひしに

そこの裏町の壁にさむくもたれてゐる

このひとのごとき乞食はなにの夢を夢みて居るのか。



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プロフィール

ロックエヴァ

Author:ロックエヴァ
療術家  

大黒屋誠二郎師を師匠として、伝授された画像や技法などを使って日々、療法に取り組んでいる。
画像、シール,保健水などの活用を中心に、心、意識、身体などについて研究を深めていく事を目的とした「まいど会」の会員。

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