冬の花

冬の花ss


数年前、亡くなった父の従姉が60年ぶりにうちを訪ねてきた折、

この花を見て、私が小さい頃からここに咲いていた、といった花である。

ついでに、まあ、何と荒れ果てた庭とも言った、頭が痛い、確かにそう・・・。

この植物が庭の石垣に住み着いたのは少なくとも100年以上前だろうか。

この寒空のもとで、健気にも薄青色の花を毎年咲かせる。

この季節、虫たちはほとんど見かけない、アリもいない、

そして小鳥には見向きもされない。

花の奥をのぞくと、ごく小さなめしべと、刺状のおしべがかろうじて確認できる。

強い北風だけが頼りなのか。

近くには水仙の群落があり、今を盛りと芳しい香り清楚な花姿で愛嬌を振りまいている。

進化の途中で、この青い花は静寂さ寡黙さを選び、水仙は、芳香と可憐さを選んだ。

この花の正式名は知らない。父の従姉は「医者要らず」といった。多分薬草なのだろう。

この花を咲かせる木(?)は、つる性で夏には、通りを邪魔するくらいに繁茂する。

その間、水仙は球根となって地面の下に眠っている。

地味で長寿で薬草らしいこの植物、

うちにまつわるささやかな歴史を見つめて来たに違いない。



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ロックエヴァ

Author:ロックエヴァ
療術家  

大黒屋誠二郎師を師匠として、伝授された画像や技法などを使って日々、療法に取り組んでいる。
画像、シール,保健水などの活用を中心に、心、意識、身体などについて研究を深めていく事を目的とした「まいど会」の会員。

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