器量

超一流の作家のすごいところは、本質の深いところを、物語の中で

気づかせてくれるところにある。もちろん読む側にもその心構えが必要ではある。

活字を眺めて、素通りする人もあれば、はっと、心開く人もあろう。

以下・・・・・の間の文は、

西郷隆盛と山岡鉄舟の江戸総攻撃の攻防を巡る行き詰まるような対峙の場面からの

引用である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「先生が、もし、談判をうまく為し遂げようと思って来られたのなら、

おいは動かんかった。総攻撃は中止せなんだ」

そういうものか---------と鉄舟は思った。たしかに、西郷とうまく談判しようなどと

いうつもりは、毛頭なかった。ただただ夢中で突き進んできただけだ。

鉄舟はむしろ、西郷のすがすがしさに英雄の気韻を感じている。

「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困りもす」

そのどれも、鉄舟は欲しいと思ったことがない。生きることは,おのれの道を突き進むことだと、

ずっと思っている。・・・・・

{NHK出版 山本兼一著 「命もいらず名もいらず」より}

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江戸は総攻撃の破壊から免れた。そして新生日本がまもなく誕生することになる。

内戦となれば、歴史は大きく変わっただろう。

小人の小賢しいエゴなど塵の如く吹き飛んでしまう場面を,きちんと描写してある。

毎日が激動の今日、日本や人類の未来を守る「器」はあるのか。



話はそれるが、のちに、鉄舟は明治天皇の信頼が非常に篤く心の師匠ともなった。

一方で、博徒の清水の次郎長とも以前から懇意であった。

その関係もあり日本で初めて英語塾を創ったのは清水の次郎長である。

先日、鉄舟の書を見る機会があったが、しばらく目を離せなかったものだ。


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ロックエヴァ

Author:ロックエヴァ
療術家  

大黒屋誠二郎師を師匠として、伝授された画像や技法などを使って日々、療法に取り組んでいる。
画像、シール,保健水などの活用を中心に、心、意識、身体などについて研究を深めていく事を目的とした「まいど会」の会員。

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