高速道路にて
片側2車線の高速道路を、ブルーのポルシェとしばらく並走した。
ちらりと見れば、運転しているのは、白髪の老婦人である。
70歳前後だろうか。見た瞬間の記憶では、レモン色のブラウスに、
白い大きめの玉の連なる首飾りが似合っている。
そして黒のサングラスが極めつけのアクセントだ。
数秒後、ポルシェはすっと加速して、私は軽く、置いてけぼりになった。
こういうことは,悪くはないな、と思う。
国が一応、安定していればこそ見られる風景である。
格差が広がりつつある社会とはいえ、均質化するよりは面白い。
半世紀昔の70歳と言えば、もう『お迎え』を覚悟しており、周りもそれとなく
気を使い、やがてそのとおりになった。静かで穏やかではあった。
服装も質素極まりなく灰色や紺色しか記憶にない。
口紅など、ばあさんがすればお化けと言われたものだ。
今、気品のあるおしゃれをして120km毎時でぶっ飛ばす方もいる。
多様性のある社会は、半世紀にわたり人々が創り上げた作品ともいえるし、
気持ち的には日本もまだまだ捨てたもんじゃない、とも思う。
それを許し、認める人がいる限り、もう少しだけ穏やかな日々が続く可能性はある。
ちらりと見れば、運転しているのは、白髪の老婦人である。
70歳前後だろうか。見た瞬間の記憶では、レモン色のブラウスに、
白い大きめの玉の連なる首飾りが似合っている。
そして黒のサングラスが極めつけのアクセントだ。
数秒後、ポルシェはすっと加速して、私は軽く、置いてけぼりになった。
こういうことは,悪くはないな、と思う。
国が一応、安定していればこそ見られる風景である。
格差が広がりつつある社会とはいえ、均質化するよりは面白い。
半世紀昔の70歳と言えば、もう『お迎え』を覚悟しており、周りもそれとなく
気を使い、やがてそのとおりになった。静かで穏やかではあった。
服装も質素極まりなく灰色や紺色しか記憶にない。
口紅など、ばあさんがすればお化けと言われたものだ。
今、気品のあるおしゃれをして120km毎時でぶっ飛ばす方もいる。
多様性のある社会は、半世紀にわたり人々が創り上げた作品ともいえるし、
気持ち的には日本もまだまだ捨てたもんじゃない、とも思う。
それを許し、認める人がいる限り、もう少しだけ穏やかな日々が続く可能性はある。